紙加工・製本・印刷・DTPデザイン/編集・オンデマンド印刷@浅草永住町

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ファイバー vulcanized fiber

濃塩化亜鉛溶液で加工した厚紙で、事務用品・箱類・電気絶縁用などに使用される。

フィーダー feeder

枚葉紙を1枚ずつ自動的に繰り出し、印刷機・製本機の中に紙を供給する装置。自動給紙機である。折り機のフィーダーには、パイルフィーダーとラウンドフィーダーがある。無線とじ機・中とじ機の表紙供給の部分のフィーダーは「カバーフィーダー」と呼んでいる。ゴム、プラスチックの「たこ」がエアで紙端を吸い、迎えにきた爪が紙端をくわえて機械内に紙を引いて行く。爪が紙をくわえたところでエアはとまり、次の紙をまた吸い上げる。エアの供給はコンプレッサーによる。丁合機のフィーダーもエアと、爪の作動で折丁を取る。立型丁合機はエアかゴムローラーによる給紙である。

電気回路で出力の一部が入力側に戻り、それによって出力が増大または減少すること。一般に、結果に含まれる情報を原因に反映させ、調節を図ること。フィードバックのfeedとは「餌を与える、燃料を供給する」の意味であり、feed-backと続けて「信号や情報を戻してやる」という意味を持たせた、制御の世界の造語である。機械の稼動中に当初の指示(入力)どおりに加工していない場合に、出力しているデータを入力したデータにつきあわせ、修正して正しい動きに戻してやる。

プラスチックフィルムで本等の内容物をパッケージする。気密性(湿気を遮断する)にすぐれ、また内容物が透けて見えるので印刷物の保管にはたいへん便利。ただし、むしって剥いだ包装フィルムの廃棄は一般ゴミと同じにはならない。「真空包装」はフィルムが内容物をパッケージする際、エアを抜きながら内容物を密閉するので、こう言うようになったが、本や紙をフィルム包装した中は厳密な意味で真空になっているわけではない。包装内部を10~30mmHgにしてシールする。またパレットに積んだ折丁や完成本をフィルムでぐるぐる巻き上げる梱包もフィルム包装とよばれている。パレットごと巻き上げて荷崩れを防ぎ、折丁や完成本の水濡れを防ぐためである。

フィルムほうそうき (フィルム包装機) film packer

コンベアーにより送られてくる本が、自動的に駒揃えされ、巻取りフィルムが上下から出て包装し、電熱によって溶着と溶断が行なわれる機械。

片面に粘着剤を塗布したクラフトの細幅巻取り紙。ガムテープが封緘テープとして使われる。

ふうとう (封筒) envelope

手紙や文書類を入れる紙袋。主にクラフト紙を用い自動型袋機で貼り加工される。角形8種、長型6種が標準。特殊なものに、現金書留用・航空郵便などがある。また個人用ではなく、出版物や宣伝用印刷物、金融機関や官公庁の通知、DM等の大量に郵送する特殊な封筒に、窓あき封筒、留め具付き封筒がある。窓あき封筒の窓の部分は、抜いて透明なセロファン紙を貼るか、紙を透明にする特種インキを印刷してつくる。留め具は鳩目付けの要領でボタン状の留め具・留め国結ぶ紐等も取り付ける。第3種郵便物は開封にしなければならないので、ベロの部分を抜いて切り落としておく。最近はフィルム包装した形等を印刷して包装すると内容物を封入した封筒の形になる。

フールス fool's paper

筆記用紙の一種。組織が均等で、不透明でよく締まり、消しゴムでこすっても起毛しない。色はクリーム色を帯び、JISP3201およびP302がこれに当る。

フォークリフト forklift

手動のハンドリフトと、自動車のように運転するフォークリフトがある。パレットの中にフォークを差し入れて持ち上げるのが使われるが、最近はパレットをすくいあげるのではなく、荷をはさんで持ち上げ、はさんだままひねって荷を反転したり向きをかえたりできる、クランプリフトを使う製本所もある。フォークリフトを運転するには、普通自動車の運転免許を持っていても特別教育の受講証が必要になっている。

フォルダーフィーダー inline cover feeder

中とじラインで入紙掛けが終わると、本の表紙を折りながら搬送チェーンに給紙するフィーダーがある。筋入れローラーにより本の背、丸折りされ折り目になる箇所に筋が入り、プレスローラーにより二つに折る。

フォント font

大文字、小文字、数字など、同じ書体で同一の大きさの欧文活字のひとそろい。コンピュータ処理する文字では形状の区別として、画面表示に使われるビットマップフォント(Bitmapped Fonts)、文字の輪郭が鮮明に整ったアウトラインフォント(Outline Fonts)がある。

折れこみ、えびす紙のこと。→えびす紙

複写伝票を丁合いするときの見当合わせ。針とクワエを釘に当てて行う「釘合わせ」、釘の代わりに板を用いる「箱合わせ」、針にさして行う「目通し」等により、複写用の数枚セットの伝票製本の見当をとった。髪も印刷も技術が未熟だった時代に製本所は伝票製本の精度を高めるためにこういう熟練技で、紙・印刷の不備をカバーした。最近の複写合わせは、紙・印刷の精度が向上したため、製本も標準的な作業を正しく進めればおのずと複写伝票の見当合わせはできている。スキルレスの典型である。ただし、この技術があれば前工程にミスがあったときも製本所で救済できる場合がある。

fukusyad.jpg複写ができる伝票。金銭や商品の動きを明確にし、その管理をたやすくし、又その責任の所在を明かにする役割をもっている。
複写伝票には(イ)紙葉の間にカーボン紙をはさんで用いるもの。(ロ)紙葉の裏にカーボンインキを塗布、印刷されたもの。(ハ)紙葉の裏表それぞれカプセル塗料と呈色性の塗料を塗布されたノーカーボン紙を使用した物がある。
複写伝票の製本様式には、丁合、背固めしたものをマーブル紙で背巻した天巻き複写、針金で平トジしてクロスを巻いた針金トジ様式、配送伝票のような一辺を糊固めして1組ごとのセットにしたワンセット伝票がある。

ふくしゃぼ (複写簿) manifold form

事務用帳簿でカーボン複写のできるもの。

ふくしゃようし (複写用紙) manifold paper

薄くて強く、カーボン複写に適した紙。書類整理に便利なように、種々の着色をすることがある。

ふくろ (袋) closed foot

fukuro.jpg紙は折ると折り目のところが閉ざされて袋の状態になる。1回折って、さらに直角に2回目、3回目と折ると折丁の角の部分は袋状になり、エアが抜けないので扱いにくい。逆に袋にならないために扱いにくいものに「バラ輪」がある。

ふくろがけ (袋掛け)

印刷版のかけ方で、袋とじするために特殊な面付けになっている。

ふくろせばり (袋背貼り)

クータ表紙くるみ

ふくろとじ (袋綴じ)

和本や事務用箋等、片面印刷の紙は、裏白の面を内側に折りこんで綴じる「袋とじ」する。小口を袋にする綴じ方が袋とじである。

手帳の差し込み式表紙で、紙片、カード等をはさみこむポケットを表し裏にうけたもの。→ポケット

連続番号の数の大きい方の番号。

ふしみばん (伏見版)

古活字版。1599年から徳川家康が伏見で僧元佶に命じて刊行した木活字による出版。「孔子家語」「三略」「六韜」などがある。

ふしょく (腐食) etching

金属活版(銅凸版・亜鉛凸版)・グラビア・食刻凹版・平凹版などの製版方法。酸その他の腐食液で版面金属を溶解する。電解処理する場合もある。

ふしんがみ (不審紙)

1cmほど巾の色紙(多く紅唐紙・べにとうしを用いる)。書物や原稿中の不審な箇所にしるしとして貼る紙。

ふぞろいけんしゅつそうち (不揃い検出装置)

ズレ・タレ検知

ぶたがわ (豚皮) pig skin

吟面に毛穴が大きく目立つが平滑で堅い革である。表紙材料としては不向きである。

ふたつおり (二つ折り)

1度折りして4ページになった折丁。これで製品になるカタログ、パンフレットもある。書籍・雑誌では、口絵、目次等の台に二つ折りが多い。

ふたやまおり (二山折り)

中とじしたものを半分ずつに折り返して背を二山にするノート製本の折り方。二山折り機で折る。

「耳付き紙」のこと。→耳付き紙

ふちょう (符牒)

製本業間に用いられた隠語の一種。例えば数字を表示するのに、一(ぼうよこ)、二(りよこ)、三(かわよこ)、四(つきよこ)、五(まんぼう)、六(てんぼうい)、七(やそまがり)、八(にらみ)、九(がんてんなし)、十(やそ)という。

ふつうぼん (普通本)

一般に用いられる書籍の型。最近ではB6・A5判が標準だが、和本では半紙二つ折りが普通の型とされている。

ぶつぎり (ぶつ切り)

「切りつけ」のこと。

ブックジャケット book jacket

表紙。

ブックレット booklet

書籍の体裁をとっている小冊子。とも紙の表紙が普通。

ブックブロックフィーダー book block feeder

無線とじラインに組み込む投げ込み装置。丁合機と無線とじ機の間に置き、ホッパーに入れた糸かがりした丁合本等を一冊ずつ無線とじ機のインフィード部へ投げ込む。

本の綴じ方の一種。主に雑誌などの定期刊行物の合本に行う。のど際に穴を開けて麻糸で平綴じする方法。「打ち抜きとじ」も同じ。

ふどう

カールと同様、紙積みしたときにあらわれる紙の性質。断裁、折り等の加工がやりにくくなる。「ふどう」と言われる現象は、1.紙漉き工程に原因があって一枚の紙に厚い部分、薄い部分ができてしまい、紙を積み上げると低い面、高い面がはっきりわかる。2.いわゆる波打ちした状態で、コバの部分が水分を吸収して伸びた姿である。紙の流れ(目)にそって波状になる。波打ちは中質紙、上質紙に発生しやすく、断裁の際、切り口面は寸法不揃い、菱形等のトラブルになりがち。

プラスチックとじ (プラスチック綴じ) plastic binding

ルーズリーフの綴じ方。金具のとじ具ではなくプラスチックのものでとじる。

franceso.jpgフランスそう(フランス装) 四周を折り込んだ印刷表紙で、化粧断ちした糸綴じの中身をくるんで仕上げる製本様式。小口の三方に1.5mmのチリを付ける。本フランス装は、中身をくるんだあと表紙裏側に折り返した部分に見返しを挿入して仕上げる。仮フランス装は、小口に口糊を入れて仕上げる。

フランスひょうし (フランス表紙)

型抜きされた印刷紙を、筋罫にしたがい四面の角を三角に折り込んだあと天地・左右を交互に折り返して表紙を仕立てる。仮フランスは角の折り込みはしない。

プリメルター/プレメルター pre-melter

無線とじ機・下固め機の糊タンクにホットメルト・膠等の接着剤をあらかじめ溶解して自動的に供給する装置。プリメルターによりバインダーの高速運転にホットメルト供給が追随できる。 メーカー 旭化学合成(株)、石塚産業(株)、コニシ(株)、大洋技研(株)

ふりわけづみ (振り分け積み)

折丁を固めるために積み上げるとき、1駒ずつ背を外にずらして交互に積むこと。

輪転印刷機の折り部から排出された折丁を一時的に保管し、必要なときにまた巻き戻し丁合機等に給紙する装置。輪転印刷機よりさしみ状にデリバリーされてくる折丁をピックアップステーション(載荷装置)によりキャリアコンベアに受け渡す。ピックアップステーションにはヤレ紙を排出するリジェクトゲートや印刷面の検査をするチェックコピーユニットを装備することができる。キャリアコンベアの途中に分岐装置を入れて折丁の流れを二つに分けることもできる。キャリアコンベアで運ばれた折丁は、ワンディング装置(巻き取り装置)によりロール(芯)にサシミのまま細いテープで押さえられながら自動的に巻き取られる。巻き取りの終わったロールは、スタンドがついていて自立できるが、専用の保管スペースに自動搬送したりトラックで工場外に出して片づける。こうして折丁は、ロールよりアンワインディングステーション(巻き戻し装置)により丁合機に自動給紙される。中とじ、無線とじ、いずれにも給紙できる。また、中とじ機により完成した本をプリントロールに保管し、インサータにより入紙して出荷することもできる。「プリントロール」はミューラーマルティニの商品名。同様のシステムに「ミニディスク」がある。

ふるい (篩) sieve

小口にバラ染色をするときに篩を使った。

フレキシブルグルー flexible glue

グリセリンなどの柔軟剤を加えて調整したニカワ。本の生命である背固め用として最適である。

本の背の仕立て方の一つで、柔軟な表紙の背と中身が密着している。→くるみ表紙くるみ

フレキソいんさつ (フレキソ印刷) flexography

凸版印刷の一種。フレキシブルな樹脂またはゴム凸版が刷版。溶剤乾燥型インキを使う。小口印刷はフレキソ印刷機が使われている。

フレクスタビル

無線とじの製本様式の一つ。丁合本の背の天と地を25~30mm、部分的に残してカットし、カットされた箇所にフェルト等をあてて糊付けし、表紙をくるみ綴じる。

プレスコート press coating

ビニール引きした印刷面にさらに一層滑らかな鏡面光沢を与える加工法。加熱したステンレス板に圧力を加えて密着する。

プレスボード press board

板紙の一種。原料として木綿ボロなどを使用し、抄き合わせた固ボール。

フレックステスター

製本の強度試験のひとつ。繰り返し開き、ページをめくる操作を機械的に再現して、ページを折り曲げ、ページが何回目で抜けたか、調べて製本強度を知る。コート紙では25回、一般紙では50回くらいを一応の基準としている。

プロセスインキ

CMYKの4色のインキ。

ブロック

天巻き

ブロックぼん (ブロック本) block book

15世紀の南ドイツ・オランダでつくられた木版の本。

ぶんぎ (分規) case gauge

表紙貼りのときに使う定規。背の総あきの幅を正確に揃える。これで表紙の中心の位置を定め、表紙貼りするのを「分規貼り」という。

ぶんこぼん (文庫本)

昭和2年(1927)7月、岩波書店が、ドイツのレクラム世界文庫にならって創刊した岩波文庫が、わが国文庫本のはじめ。活版印刷、糸かがり、天アンカット、栞紐つき、グラシンのカバー掛け等の造本だった。昭和40年頃まで10種類近くの文庫が出版された。無線とじが採用され、カバーがビジュアルな多色印刷に、さらに1台16ページから32ページに、天アンカットをやめて栞紐をつけない・三方化粧断ち、印刷もオフ輪による等、文庫本の印刷製本は猛烈な変化を遂げている。文庫本を出版する版元も激増して、現在はコミック、辞書、写真集や画像集の文庫本、ハードカバーの文庫本も出版されている。サイズは長い間、A6判が文庫本サイズということだったが、文字を大きくしたB5判、薄くてより小さくしたミニ本等もつくられている。

ぶんせん (文選) type picking

和文の組版作業の一工程。活字ケースから原稿の通りに活字を拾い出して、文選箱の中に寄せ集める仕事。

ふんぱく、ふんぱくこ(粉箔、粉箔粉)

金箔の代用箔。

ぶんろくちょくばん (文禄勅判)

16世紀末(文禄二年)後陽成天皇が命じて行われた古活字版の一つ。